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鍼灸治療は、抑うつ傾向を改善します。 上の写真をクリックし、拡大してみてください。図19 「Zungのうつスコアーの変化(北海道1990)」の横棒グラフが見えると思います 注1)。心理的な“うつ傾向”を判断するZungのスコアーは、鍼灸治療前約45点と比較して治療後は約35点と、統計学的に有意な減少が認められます。 Zungのうつスコアーは、SDS(Self-rating Depression Scale)とも言われ、うつ病や抑うつ状態を評価するための質問紙で、ストレス状態の把握には欠かせないものです。総得点が80満点中50点以上でうつ傾向があると評価し、40〜49点で疑いがあるとされます。 このうつスコアーに限らず、鍼灸院に来院される患者さんのストレス度数は、一般市民のものと比較すると高い数字が出ることが、当院で実施した疫学調査でも指摘されています 注2)。 鍼灸治療を始められる前の患者さんは“抑うつの疑いがある”状態であったが、治療が終了時点になると正常値に入ります。鍼灸治療により抑うつ状態が正常になるという事実を知っている方は残念ながら少ないですが、特性の一つに、この「抑うつの改善」が大きく取り上げられてもいいと思っています。 なぜなら、抑うつ傾向にあった方が鍼灸治療により正常になるということは、“うつ病を予防できる”という可能性があると考えられるからです。 東洋医学には「未病治」といって、未だ病まざるものを治すという考えが古くからあります。この「うつ病」についても未病治、予防できる可能性を示す現代のデーターなのです。 「体が重い」「気分がすぐれない」といった方は、本格的なうつ病になる前に、鍼灸で抑うつ状態を改善予防をされてはいかがでしょうか。それができると、このデーターは教えています。 そして、これもまた心身一如、生命力を高めることに繋がっていると思っています。 [ 補 足 ] 図18は、CMIという健康調査票です。T・U領域が正常(健康)とみなしうるもので、V・Wは神経症とみなされます(深町変法済み)。鍼灸治療後、正常域のT・Uは約70%から約83%に増え、神経症領域のV・Wは約30%から約17.4%に少なくなっており、鍼灸治療により神経症の改善が認められるデーターとなっています。 [参考文献] 注1:編集 明治鍼灸大学大学院教授 丹澤章八・企画 財団法人東洋療法研修試験財団:「高齢者ケアのための鍼灸医療 −鍼灸の新しい概念を求めて−」:医道の日本社 1995 注2:一寸法師ハリ治療院 中沢良平:「鍼灸院来院患者におけるストレス度数」:全日本鍼灸学会雑誌 44巻 1号 1994 |
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