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zoom RSS 東洋医学と交流分析 −TEG(東大式エゴグラム)より−

<<   作成日時 : 2006/12/21 21:06   >>

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 昨日は第3水曜日でしたので、郡山健康科学研究会の定期勉強会でした。今回の内容は先月の続きで、うつ病について会員同士が情報交換をしました。

 ためになった情報として、うつの方に筋肉のストレッチ指導をする際は、伸ばす筋肉に意識を集中させるのだそうです。そうせず、漠然とストレッチすると意識が内向してよくないそうです。これも、教科書には載っていない貴重な現場からの報告ですね。
 また、軽い運動によりセロトニンの分泌などがよくなるというデーターがあり、運動後の爽快感はそうした作用によるそうです。

 こちらからの情報提供として、交流分析(TA)も紹介しました。
 交流分析とは、アメリカの精神科医エリック・バーンが、「人々は異なった性格を持っているのに、どうして互いに良い交流関係がてぎるのか」ということを研究し始めたものです。
 この人格(パーソナリティ)についての構造が下のとおり、5つのパターンに区分されました。

@ 批判的で道徳的である<父親:CP>としての自我
A 養育的で保護的である<母親:NP>としての自我
B 客観的で理性的である<大人:A>としての自我
C 本能的で積極的である<自由な子供:FC>としての自我
D 協調的で妥協性である<従順な子供:AC>としての自我

 これら5つの自我のバランスにより、その人の性格を理解するものとするのが交流分析で、親の自我としてのPの占める割合が多く、子供の自我としてのCの占める割合が少ないと、うつになりやすいといわれています。たしかに、趣味が多く遊び上手だと、うつになりにくいですよね。


 さて、この5つの自我のバランスに着目し、古来東洋医学の陰陽五行説と重ね合わせた方がいます。それは、元日本鍼灸師会会長の木下晴都医学博士です。
@ CP=肝・木
A NP=脾・土
B A = 肺・金
C FC=心・火
D AC=腎・水

 『東洋医学と交流分析 鍼灸臨床への応用』の本(上の写真)の結びの部分に、「古典に記載された鍼灸医学では、個体の性格を五臓に対応して記されており、その治療は虚の状態と実の状態に分け、虚には補法を、実には瀉法を施すのが一般的な治療とされている。他方、交流分析の立場をみると、個体の自我状態を5要素に分けて心的エネルギーの量を判定し、そのエネルギーが高値か、低値かによって、高いものは下げ、低いものは上げる方法がとられている。このような両医学をみると、精神構造の偏差を発見して、これを調整するという点からみて、共通性のあることが理解される」と書かれています。

 約2000年を隔てた中国とアメリカで、それぞれ同じような視点で自我を見つめる観点を持ったということは、非常に興味深いと感じます。

 それにしても、東洋医学・鍼灸医療は、幅が広く、奥が深いですね。



 [東洋医学と交流分析の一致例]
<CPの肯定面>
 道徳を尊ぶ、倫理的、規律的、理想の追求、現実的、秩序の維持、など
<CPの否定面>
 批判的、権威的、拒否的、支配的、強迫観念、独断的、責任の追及、など

<肝の精神構造>
 志に在りては怒と為る。怒は肝を傷る。[素問・陰陽応象大論篇5]
 肝は将軍の官、謀慮これより出づ。[素問・霊蘭秘典論篇8]
 肝に并するときは即ち憂う。肝は魂を蔵す。[素問・宣明五気篇23]など


 [引用文献]
木下晴都:「東洋医学と交流分析 鍼灸臨床への応用」:エンタプライズ
末松弘行、他:「エゴグラム・パターン −TEG東大式エゴグラムによる性格分析−」:金子書房

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様です!
木下先生の晩年の研究は、交流分析でしたね。
経絡否定派でありながら、交流分析から見た五行の分類など、医道の日本で連載していたのはもう15〜6年前になるでしょうか。
科学ではないアートの東洋医学も、突き詰めるとなかなかの科学性を秘めているのかも知れません。

そういえば福島医大の菊地教授は、『鍼灸治療を受ける人は、なぜか高学歴の人が多い』と言っていましたっけ。
さんちゃん
2006/12/22 15:14
 三瓶先生、コメントありがとうございました。
木下先生がご存命中、福島県鍼灸師会の学術講習会にお呼びして聴講したいと希望したことがありましたが、実現しませんでした。交流分析という言葉になじみがなく、また、PとかCとかが難しく思われたからかもしれません。
 しかし、五行説の陰陽虚実で考えると、鍼灸師にとって案外理解しやすかったかもしれませんね。
 視点を変えて、理解してみる試みも大切だと感じます。
水の旅人
2006/12/22 20:17

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