『東洋医学見聞録・下巻』と『手根・足跟針』(絶版)
読書の秋、西田医師の著書『東洋医学見聞録・下巻』のページをめくっていたら、『手根・足跟針』という懐かしい書籍名を見つけました。
今は絶版となってしまいましたが、鍼灸学生だった30年ほど前、購読したことがあります。
書棚から取り出し、表紙をめくると、赤色で下線を引いている箇所があります。当時勉強したのだと、我ながら感心しています。
『手根・足跟針』は中国軍医大の著した書物で、内容は手首や足首にあるツボに、皮内鍼程度の浅い鍼刺激で身体を治すというもので、そのルートは6通りあります。
最近、日本国内では「経筋治療」といって、同じように皮内鍼でツボの流れに沿った筋肉を柔らかくする手法が人気です。
写真は、間中喜雄医師が序文として、この『手根・足跟針』を紹介された部分です。
クリックして拡大すると読むことができますが、「複雑なものを簡単にすることも別な意味で進歩といえよう。」という箇所は、そのとおりだと同感します。
この『手根・足跟針』で示される考え、経筋治療の内容と似ているものを感じます。
『東洋医学見聞録』を著された西田医師の得意な治療法は、経筋治療です。
『東洋医学見聞録』のシリーズの最終巻、しかも最終章に「皮内鍼」の章があり、そこで『手根・足跟針』を紹介しています。
西田医師は経筋治療を得意とされているので、本来ならもっと早い章からこの『手根・足跟針』という著書を紹介していたと思うのですが、最終章に紹介したということは、西田医師が皮内鍼による経筋治療が『手根・足跟針』の理論に通じると感じ、この『東洋医学見聞録』のシリーズをまとめたかったからではないだろうかと思っています。
つまり、この『東洋医学見聞録』シリーズの中で西田医師の言いたかったこと、伝えたかったことの中で一番なものは、この考えなのかもしれないと感じました。
写真は、米粒(こめつぶ)と皮内鍼です。皮内鍼はとても短く、ほとんど体内に入りません。
非常に浅い刺激で気血を動かす。また、自律神経反射を呼び起こし、体調を正常化へと変調させることができるすばらしさを、間中喜雄医師と同じ視点で見ておられたと感じてしまいます。
鍼灸学生の時期に『手根・足跟針』を読んだとき、このことには気づきませんでした。それは当時、経筋治療という言葉は一般的に使われていなかったという時代背景があったからです。
しかし、西田医師の指摘により、多少でも共通の考えがあることに、今再認識しました。
西田医師の深い洞察力と鋭い視点は見習いたいと、改めて痛感しています。
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