東日本大震災 エコノミー症候群を出させない! 鍼灸介護予防運動指導ボランティア治療(第2日目)

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 昨日に続き、今日もビッグパレットふくしまにおいて、避難されている方たちへボランティア治療を提供してきました。

 以前、新潟中越地震でも鍼灸ボランティア治療として行ったことがあります。しかし、今回の被災者ボランティア治療は、今までのものとは違います。

 新潟中越地震などでは地震が終息し、インフラの整備が済めば、避難された方は自宅に戻れました。
 今回のケースは放射能からの避難で、地震が終息しても、その土地に残留する放射能の濃度により帰れるか、未だ不明のようです。帰ることができるようになるにしても、安全宣言が出るまでには日数がかかると予想されます。

 我々、福島県鍼灸師会のメンバーも、そうした長期戦を見込んだボランティア治療活動を考えなければならないと思っています。

 また、こうした放射能から避難された方をボランティア鍼灸治療したのは、日本で、いや世界で福島県鍼灸師会しかないでしょう。
 それだけ、前例のない難しさに直面しています。



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 さて、今日は頼もしい助っ人として参加いただいたのは、遠藤賢一先生(郡山市・てるてるぼうずはり・きゅう指圧治療院)です。
 遠藤先生は、福島県鍼灸師会のスポーツ治療チームの事務局長をされており、筋肉や関節などの運動器疾患に詳しい先生です。ボランティア治療の現場では、常に的確に病態を捉えながら、わかりやすく丁寧に治療をされます。
 今日は、昨日のほぼ倍の53名を治療しましたが、遠藤先生のご活躍により、スムーズに進みました。




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 今回避難所となっているビッグパレットふくしまの外観です。最上階のガラス張りの部屋のガラスは、割れて下に落ちています。内部の床は、薄い絨毯だったりブロックやコンクリートだったりします。
 そのせいか、避難されている方の多くは、足の冷えやつっぱり感を訴える方がとても多いです。



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 そこで、今回のボランティア治療のテーマとして鍼灸治療だけではなく、“ストレッチによるエコノミー症候群を出さない”ことに決めました。

 通路や部屋に避難されている方たちの元に向かい、一緒にストレッチをしました。このことは、地元の看護師さんや保健師さんから高い評価をいただきました。


 ストレッチの指導に当たったのは、福島県鍼灸師会の会員や看護師さんで、東京都老人総合研究所に登録されている介護予防運動指導員です。
 介護予防運動指導の知識と技術を応用し、ゆっくり硬くなった筋肉を伸ばします。やっていくうちに、周りから人が集まり大きな輪になっこともあります。皆さん、異口同音に運動不足を訴えておられました。避難されなければ、いつもどおり緑豊かなところで、田んぼや畑を回っていたはずです。



 今回のボランティア治療のメンバーは、それぞれ仕事があるので、次回治療を提供できるのは次の日曜日となります。それまで治療を提供することができないので、セルフ・ケアとして、こうした介護予防や病気予防の考えでのストレッチ指導となりました。

 いつも避難所で問題となるエコノミー症候群は、運動不足で下肢に血栓ができ、それが肺に向かい肺塞栓を起こすことで知られています。
 ビッグパレットふくしまに避難された方には、こうした肺塞栓を起こして欲しくないという思いで、楽しくストレッチをしました。


 来週の日曜日までには、ガソリンが入手できると思います。
そうしたら、もっと多くの鍼灸師でボランティア治療を提供したいですね。

この記事へのコメント

さこ
2011年03月22日 19:02
今回の震災で、鍼灸ボランティアをしている団体がないものかとあちこちのサイトを見て回り、ようやく発見しました
こんなときこそ、鍼灸が使えると思っていたので、とても心強く感じました。
いろいろと大変でしょうが、ご自身の健康にも気をつけながら頑張ってください
北海道の田舎から応援しています。
2011年03月22日 21:24
 さこさん、コメントありがとうございました。

 被災地でのボランティア治療は、何度かしたことがあります。そのときの経験から、鍼灸医療はそうした事態でも対応できるということを実感しています。
 できれば、こうした事実も後進の鍼灸学生にも見せたいとも思っています。「ライフラインが乏しい中でも、鍼灸治療はできるんだよ」と伝えたいです。

 福島県鍼灸師会では、ここ郡山市だけではなく、会津若松市や田村市でも会員の方がボランティア治療をしています。規模の大小に関係なく、ただひたすら、自分の持てる臨床力を提供することが大切だと思います。

 今後とも応援のほど、よろしくお願いします。
エビボクサー
2011年03月23日 14:17
はじめまして、愛知県岡崎市居住の鍼灸師です。
今回の震災において鍼灸師としてなにか出来ることはないかと日々考えておりましたところ、このブログとテレビで心身のケアに当たっている鍼灸師の報道を拝見しました。
他県の鍼灸師でもボランティアとして被災地で避難されている方達の治療に協力させていただくことは可能なのでしょうか?
また可能ならばどこへどういった手続きを行えば良いのでしょうか?可能ならばお教え下さい。
私も自分自身でもっと調べてみます。
本当に大変な状況だと思いますが、頑張っていきましょう!!
エビボクサー
2011年03月23日 14:19
はじめまして、愛知県岡崎市居住の鍼灸師です。
今回の震災において鍼灸師としてなにか出来ることはないかと日々考えておりましたところ、このブログとテレビで心身のケアに当たっている鍼灸師の報道を拝見しました。
他県の鍼灸師でもボランティアとして被災地で避難されている方達の治療に協力させていただくことは可能なのでしょうか?
また可能ならばどこへどういった手続きを行えば良いのでしょうか?可能ならばお教え下さい。ちなみに、私も介護予防運動指導員の資格を有しております。
私も自分自身でもっと調べてみます。
本当に大変な状況だと思いますが、頑張っていきましょう!!
2011年03月23日 22:08
 エビボクサーさん、コメントありがとうございました。また、応援のお言葉も、うれしいです。

 新潟中越地震の時は、東京の鍼灸師の方たちと一緒に行動をしたことがあります。ただ、交通手段や宿泊については斡旋できません。

 また、治療を施す際は、やはり鍼灸師賠償保険に加入したり、リスクマネージメントについて専門的に習得、実践することは、マナーに近い必須だと思います。ボランティア治療でも、医療行為という態度で向かわないといけないと思います。

 それと、ボランティア治療をされる方は、被災者の土地の鍼灸師がされることが理想だと思います。元の土地に戻り、その後のケアも継続して行えることが、被災者にとって都合がいいことだと思います。

 介護予防運動指導ですが、鍼灸では痛みは取れますが、筋肉はつきません。避難されている期間が長くなるほど筋力は落ちます。今は、エコノミー症候群を対象にストレッチをしていますが、長期的な視点で見れば、筋力向上も今後取り入れていく必要があります。
 鍼灸医療と介護予防運動指導で、より豊かなボランティア治療が提供できると考えています。

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