家庭医と鍼灸師と -地域医療への貢献に向けて-

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「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」
(医業と各施術免許の関係)
第1条 医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を受けなければならない。


 これは、鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師の法律です。
 本来、あん摩や鍼灸は、医師でなければ行えませんが、これらの免許を持っていれば医行為が一部限定解除として許されるといった内容となっています。鍼灸師が、腰痛や肩こり以外にも、内科疾患や婦人科疾患、耳鼻咽喉科疾患や小児科疾患など、多くの疾患について治療行為が許されるのは、この法律があるからです。


 鍼灸師が、法律的に「はり師」や「きゆう師」と呼ばれるゆえんは、古くは飛鳥時代にまで遡れます。『大宝律令』には、その身分として鍼師が載っています。
 「はり師」「きゆう師」の“師”は、そうした日本古来の歴史的背景があるから“師”と呼称されることを鍼灸師は知っておくべきことだと思います。


 我が国の飛鳥時代から続く鍼灸医療ですが、当時の鍼灸師は官僚でしたので一般市民への施術はおこなわれていなかったそうです
 鍼灸が一般市民の生活に浸透するのは、江戸時代に入ってからだそうで、江戸初期に発展した印刷技術の普及にもよるとの意見もあります

 我が国の国民への疾病治療や健康増進については、明治維新になるまで鍼灸師の役割でもありました。そもそも鍼灸師は、明治維新前までは地域の家庭医的存在だったのです。


 今日、社団法人福島県鍼灸師会の夏季学術講習会が、郡山駅前のビッグアイで開催されました。
 そのうちの一つの講演で、福島県立医科大学医学部 地域・家庭医療学講座の助教を務めておられます石井敦先生のご講演を拝聴することができました。講演名は『地域における家庭医の役割』と題され、サブタイトルには-鍼灸師と家庭医の共通点を探る-とあります。

 成り立ちから生来的に家庭医的な鍼灸師と西洋医学の立場の家庭医とは、どのような相違があるのか興味があり、また、このことにより鍼灸師であることを振り返るきっかけになりました。
 気づきという点では、グループディスカッションで、「鍼灸師と家庭医は○○なところが似ている」とか「地域における鍼灸師と家庭医の役割は?」で意見を出し合うことで、それぞれの立場が見えてきました。

 今までの講習会では、グループディスカッションをしたことはありませんでしたし、鍼灸師について対象比較をし、立場を顧みることはなかったことなので、とても新鮮でした。
 そして、鍼灸はプライマリ・ケアそのものであると確信しました。

 西洋医学と東洋医学という立場は違いますが、地域医療に貢献することは同じです。
 医師と鍼灸師が協働し、統合医療として地域医療に貢献できれば、さらなる健康増進に繋がると思った、すばらしい講演でした。
 感謝の言葉とともに、石井先生のブログを下記のとおりご紹介します。



      石井敦先生のブログ
     『いわきで創る家庭医療

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